自律神経が乱れるってなに?
- 院長

- 2024年5月1日
- 読了時間: 4分
更新日:11月27日
身体が楽になるにはどうすればいいのか?
身体の緊張を落として、リラックスしてもらう。
「硬くなっている部分を緩める」
これほどシンプルであり、かつ難解なものはありません。
筋肉が硬くなるには何かしらの理由があります。
①他の弱くなっている筋肉の働きをカバーするため
②特定の筋肉のみを使うような癖が身体についている
③自律神経の乱れや内臓の不調が筋肉に波及している
①と②は何となくイメージがつきますが、③はどのようなことか?
ある患者さんを一例に説明していきます。
息苦しさや動悸、胃の不快感に悩んでいる女性が来院されていました。
【自律神経の働きについて】
自律神経の活動は0か100ではなく、交感神経と副交感神経がお互いに環境に適応するために共同作業を行っています。
☑覚醒して活動的な日中は、交感神経が優位となります。
交感神経の働きは・・・
1)肺に酸素を取り込むために気管支(空気の通り道)を拡張させます。
2)身体に取り入れた酸素を心臓が血液と一緒に一定のリズムで拍動して全身へ送ります
3)その血液を骨格筋が受け取り、力強く関節を動かしているわけです。
逆に…
☑夜間は副交感神経が優位に働きやすく、リラックスする方向へ身体がシフトします。
交感神経の働きとは逆の作用を身体に与えます
活動的な状態からリラックスする方向へ身体のスイッチを切り替えます
心臓がゆっくりと動き、気管(空気の通り道)が縮まり、骨格筋はリラックスするのです。
そして、内臓は消化活動や排せつ機能を促したりといった機能が発揮されます。
交感神経と副交感神経の働きがバランスよく調整されながら行われなくなった状態が
自律神経の乱れというものです。
【自律神経の乱れに対してオステオパシーは何ができる?】
こちらの女性が感じている息苦しさ、動悸、胃の不快感といった症状の背景には、自律神経の乱れがあるのです。
よく言われているのは、交感神経優位の状態になりやすいので生活習慣の見直しが推奨されます。
オステオパシーの視点としては、副交感神経が集中している部分に何かしらの組織の硬さが無いのかを先ず、確認していきます。
胃の不快感であれば・・・
心臓、肋骨・背骨・横隔膜の硬さは必ずチェックしていきます
そして、内臓の動きを正常な状態に近づけるために経絡・経穴を利用した施術も取り入れます。
副交感神経を働かせるために闇雲にマッサージをしても効果が出ないことは多々あります。
【内臓を良い状態へ保たないといけない理由】
必要なタイミングで最適な身体の働きが発揮されない状態が起きる。
生理的な身体機能に反する状況、これをストレスと私は考えます。
ある程度、元気な方であれば無理が効くのかもしれません。
しかし、限界を迎えると身体は壊れます。
人の身体はとてもうまくできていて、内臓と筋肉を天秤にかけた時に内臓を優先的に守ります。
それは内臓機能の損失は命に直結するからです。
胃、肺や気管支、心臓に負担が生じている場合は内臓を保護するために周囲の筋肉への血流を制限します。
これは手先にある細い血管を収縮させて身体の中央に血液を集中させるということです。
余談ですが、女性の慢性的な冷え性はこういったものが原因であることも考えられます。
こうして、身体のあちこちの筋肉が緊張した状態が作られて慢性的な肩こり、腰痛、倦怠感が生み出されるということです。
ちょっと難しい話になってしまいましたが、身体の内部の乱れをカバーするために筋肉がある意味犠牲者になってしまったということです。
筋肉をいくら揉んでも治らないケースはこの辺の考え方が必要ではないかと私が思います。
自律神経を整えるということは筋肉や関節だけではなく内臓、神経の状態を調整する必要があるということです。
オステオパシーは表面的な症状ではなく、身体のメカニズムそのものを見ます。
目に見える症状(病気)に着目するのではなく、あなたの身体を見るということです。
症状を改善するヒントはあなたの身体の中にしかありませんから。
それを探して、あなたに伝えて、一緒に身体を良くしていくお手伝いをさせてください。



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