- 2023年1月15日
- 読了時間: 5分
日本の医療機関では基本的にアロパシーというものが行われています。
アロパシーは対症療法と呼ばれており、薬物療法を中心とした治療が行われます。
薬物療法は私達の身近にあり、今ではドラッグストアで簡単に痛み止めや胃腸薬を購入することが可能です。
薬物療法の効果は高く、数値化した指標を用いてエビデンスが示されたりします。
ただし、症状を緩解したり、消失することは可能ですが根本的な原因を解決することは難しいという点もあります。
例えば、痛み止めで有名なものとして「ロキソニン」があります。
人間の身体に何らかのストレスが生じるとプロスタグランジンという物質が働くことで
炎症症状(痛み・熱感・発赤・腫脹・機能障害)を引き起こします。
ロキソニンはこのプロスタグランジンという物質を抑制し、疼痛や熱感という炎症症状を押さえる効能があります。
これによって痛みを感じることなく、不調が治ったという感覚を得られます。
しかし、一時的に炎症が抑えられただけであり炎症を起こした「根本的な原因」が
消えた訳ではありません。
薬効が切れてくると再度、痛みを感じるのです。
これは患者さん達もよく経験しているようです。
なので、痛み止めが手放せない。
そして段々と効かなくなる。
だから、さらに強力な薬を出す。
サインバルタ
リリカ
その分、副作用も強くなります。
負のスパイラルですね。
使用しない方が良いという訳ではありませんが、長期的に使用するとあまり良くない…。
副作用がしんどいけど、痛みが再発するのが怖くて辞められないという方を見てきたのでそう思うのです。
ここまで聞くと「薬物療法」が悪者というイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。
薬物療法によって命が救われたり、快適な生活を送ることが出来るようになっている患者さんは沢山いらっしゃいます。
ただし、長期的な使用による薬物療法の副作用に悩まれている患者さんがいるのも事実なのです。
薬に頼らず(服薬量を減らして)生活を送りたいという方もいらっしゃるので僕らセラピストは対応していく必要があります。
気を付けなくてはいけない点として、薬を辞めたことで症状が急激に悪化してしまう(離脱症状)患者さんもいるので、セラピストは安易に患者さんに薬物不要論を説いてもいけないのです。特に精神科に通院されている方の内服調整に関しては、安易に口出しすることは決していけません。
重篤な症状や疾患であるほど服薬処方を出している主治医へ指示を仰ぐべきだとは思います。
オステオパシー創始者であるスティルは薬不要論を掲げており、それはそれで正論なのですが患者さんの状態に合わせていく必要はあるのかなと。
良くも悪くも薬物療法は身体に強い影響を与えるということです。
では私には何が出来るのか?
患者さんがもつ自然治癒力を最大限高めて、生活を見直してもらうこと。
そしてそれらが、心理的・精神的な支えとなり患者さんの自立につながる。
というのが理想です。
心と身体が繋がっているならば、身体が変われば心も変わることができると私は信じています。
私が大切にしているオステオパシーの原理原則の中には「機能と構造は相互に影響する」と。いうものがあります。
これは物質的な身体の変化がメンタル面にも通じるものがある。
という風に僕は勝手に解釈しています。
患者さんは不調の原因はとても根深いものが増えてきています。
ちょっとやそっとの施術で解消する症状は減ってきていと実感しています。
それは食生活、社会生活などが以前よりも身体にとってはストレスフルなものになってきていることも原因の一つではないでしょうか。
まとめますと。
ここまで聞いたらオステオパシー最高で、薬物療法より凄い!というイメージになっちゃいますけど、僕はどちらも必要だとは思います。
ですが長い目で見た時に、自分の身体と向き合うことができるという点ではオステオパシーが良いのかなとは思います。
人間、のど元過ぎればなんとやら。簡単に解決したものは簡単に忘れてしまうものです。
時間をかけて身体を向きあえば得られるものはより大きなものになるのだと思います。
便利で気軽に物が手に入る世の中ではあっても健康はそうはいかないかなと。
あなたの人生をより良いものにするためには「薬物療法」も「オステオパシー」の両方と仲良く付き合っていくのが良いのかも必要かもしれません。
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【院長】長友修平
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- 2023年1月15日
- 読了時間: 3分
□朝起きた瞬間に肩と腰は固まっている感じがする。疲れは取れていないし、全身がおもだるい
□肩は水平より上に痛みで上がらない。
□一日過ごしていく中で段々と動かせるようにはなってくる。
こんな症状を訴える女性・・・今では珍しくないのかな?
まだ30代にも関わらず五十肩のような症状。
更には心窩部の不快感というか胃の違和感という自律神経系症状もある。
幸い、夜間痛は強くはないけれども上腕二頭筋の周囲に浮腫や軽い熱感を認める。
動かし過ぎて痛みなどの症状が悪化してきている訳ではない、むしろ眠っているときってじっとしていますよね。なのに、起きる時に身体が強張っている。
眠っている間におこなっている運動と言えば「呼吸」です。
そして今回の女性は腹部に手術の既往があり、腹部の硬さが目立ちました
お腹の柔らかさと呼吸ってかなり関連があります。
深い呼吸をする時には腹部が膨らんだり縮んだりしますので、これが制限されると呼吸が強く妨げられてしまいます。
眠っているのに上手く身体に酸素が取り込めない。
それじゃあリラックスできませんよね。
【施術】
①腹部の柔軟性を取り戻すために腹部の筋膜、皮膚や内臓の可動性の改善
②仙腸関節・腰椎のリズムを取り戻すためのモビライゼーション
施術は30分ほどで終わりました。
痛みは無く、患者さん自身の力を用いて安全に行いました。
これで肩は頭の上まで痛み無く、動けるような状態になりました。
お腹の不快感も無くなり、呼吸も深くできるようになりました。
後はお伝えしたセルフケア(運動療法)をしっかり実践して頂ければなと思います。
オステオパシーってすぐに結果が出ないんでしょ?と最近よく耳にしますが・・・
そんなことはないです。たしかに症状によっては時間を要することもありますが、毎回全力で一日でも早く患者さんの症状が改善するように取り組んでいます。
故意に症状の改善を遅らせることもありませんし、そんなことしても自分の院の評判を落とすことになるので絶対にしないですね!笑
症状の改善は勿論、身体がもっと健康になるような状態にまでもっていけることを目指しています。
ちなみに、絶対に頭蓋骨を触らないと症状が改善しないってこともないです。
必要なら施術するって感じです!
どうしたらいいのか分からない症状にお悩みの方は是非お越しくださいね。
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- 2023年1月13日
- 読了時間: 5分
患者さんと向き合う時の心構えってどうしたらいいのだろう?
新卒で入職したての僕はいつも考えていました。
あの頃は患者さんを前にすると緊張してドキドキして、頭がパンパンになっていました。
「失敗したらどうしよう?」
「上手くいかなかったらどうしよう?」
「何からしたらいいのだろう?」
このように迷い慌てふためいていたことをよく覚えています。
顔は平静を装い、内心びくびくしてシャツは汗だく。
じゃあ今はどうなのか?
まったくそんなことが無いとは言えませんが、心掛けていることはあります。
患者さんにとって、
「言葉を交わしたり、同じ空間にいるだけで安心感をもたらせるセラピストでありたい」
このスタンスを大切にしています。
このように少しずつ落ち着いて患者さんと向き合えるようになってきたきっかけはいくつかあります。
オステオパシーを学び始めたこともその一つでしょうか。
そして、一冊の本の中で出会った女医さんの影響が大きいですね。

「グラディス・テイラー・マクギャレイ」について
インド生まれのアメリカ人女性で、主に小児や産婦人科の領域でご活躍された女医さんのようです。自然分娩や、出生直後の新生児に対する安全な管理方法など小児科や産婦人科の領域で精力的に活動されたようです。ちなみに分娩室に旦那さんを入れて出産に立ち会えるようになったきっかけもこの先生だったそうです。
マクギャレイ先生が診療していたクリニックには多くの重病、難病を患った方がたくさんいらしていました。末期癌を患い、抗がん剤や外科手術(アロパシー医学)を受けても何の成果も得られなかった患者を奇跡的に治療していたそうです。
他にも病院で医学的な検査を受けても異常は見つからなかった沢山の患者さんが訪れては治療を受けていました。
そんな先生は通常の医学だけにとどまらず、代替療法(鍼灸、徒手療法、ヨガ、瞑想、音楽、心理療法)を兼ね備えたクリニックを運営されていたようです。
これだけ見ると本当に偉大な先生だなと感嘆してしまいます。
さぞかし患者さんへ様々な治療の提案を行っているのだなと思いながら書籍を深く読んでいくと意外とそういう訳でもありませんでした。
というより、それらは枝葉のようなものであり根幹には「患者さんの中にある自然治癒力(インナードクター)を呼び覚ますこと」ということを念頭に置いて患者さんと向き合うことの必要性を説明されていました。
物質的な肉体だけでなく、思考や精神をプラスの方向へ動かすことの重要性を説かれています。その治療成績にマクギャレイ先生自身が驚き、患者さんから学びを得ることも多かったようです。
ここまで聞くと、偉大で有名なドクターなのだと思います。
しかし、世間は許してくれなかったようです。
アロパシー医学会(薬物療法や外科手術を中心とした医療)から非難や嫌がらせなどの大バッシング受けることになったのです。
一般的な医学の常識から逸脱していることが理由で非難の的になってしまいます。
ついには医師免許剝奪の危機にも直面したりと波乱万丈な人生を歩まれています。
それでも彼女はものともせず真向から立ち向かったのです。
結果として、医師免許を剝奪されることは無く、家庭医として長年ご活躍されたようです。
*ちなみにマクギャレイ先生はアロパシー(薬物療法や外科手術)に対して否定的に捉えたり、無意味に批判したりすることは無くて大変、人としての器が広いお方です。
少し話は逸れますが、オステオパシーの創始者であるアンドリュー・テイラー・スティル先生や、クラニアルオステオパシーのパイオニアであるウイリアム・ガーナー・サザーランド先生も同様に同業のドクターやアロパシー医学会から非難を受けていたようです。
しかし、すべて結果で捻じ伏せたと言われています。
(カッコよすぎますね!)
創始者のスティル先生の奇跡的な治療技術を求めて人が集まりすぎて、一つの町が誕生したという秘話まであるようです。
今頃、スティル先生は天国でどのようなお気持ちでしょうか?
当時は非難され、変人だの悪魔だのと迫害を受けていたにも関わらず
現代ではアメリカでのみオステオパシーは医師と同等の扱いとなっており、そして遠く離れた日本にまで偉大な先人達の魂は脈々と伝わってきていることは大変すばらしいことです。
話をもとに戻して、まとめますと。
何をするべきかどうかではなく。
先ずは、患者さんを受け入れて知ること。
こちらがなにかをしなければいけないという思考や意図は一旦、置いとくこと。
患者さんのことを知れば何をするべきかを導いてくれる。
そう考えると、僕自身の心は軽くなって毎日ひやひやしながら患者さんと向き合うことは減りました。
こうでなければいけないとか、できないといけないといった具合の既成概念などは自分の感覚を鈍らせたり手を固めてしまうので施術の効果もイマイチな気がしますしね。
患者さんと向き合うときの初心を思い起こさせてくれるような一冊です。
また読み返してみて、紹介できればなと思います。
余談ですが、マクギャレイ先生は研修医の時に妊娠してフラフラになりながらもハードなスケジュールで患者さんのために尽力されていたようです。
この時代のアメリカでは男尊女卑の文化が根深く、女性は医師になるべきではないという考えが浸透していたためイジメもひどかったようです。
考えただけでゾッとしますが、そんな困難にぶつかっても信念をもって立ち向かっていく
マクギャレイ先生の意志を受け継ぎたいものです。

